「当事者に謝るより、こちらが謝って欲しいくらいだ」と言いたい父親も多いかもしれません。
過去に当事者の家庭内暴力を受けたり、応戦して暴力を振るったことがトラウマとなって、傷ついたまま気持ちを乗り越えられない父親がいるからです。
この場合には、どうしたらいいのでしょうか?
男性にとって暴力の犠牲になることは屈辱的であり、民主的な父親にとっては、自分が暴力を振るったこと自体が屈辱的です。
「男の沽券」を守ろうとして、男親が取り組みに消極的になった場合には、問題解決の困難さは増します。
こんな場合の解決方法の一つが、ひきこもりの親の会で「告白」することです。
過去にあった事実を、正直に他人の前で口にすること(カム・アウト)なのです。
これは相当に勇気のいることです。他人に自分の知られたくない過去を知らせてしまう行為ですから、「弱い自分」をさらけ出すことにもなります。
しかし、屈辱や恐怖などのマイナスの感情は、避けようとすればするほど強くなる性質を持っています。
屈辱感をそのままにしておくこと自体が、屈辱感を増大させるのです。
従って、今この時こそが、カム・アウトのチャンスなのです。その後の展開にとって、効果はきわめて大きいものがあります。
話を聞いて、別の父親が同じような体験を語り出し、自分だけではないことに気づくことができた場合には、肩の荷が下りることでしょう。
そして、気がつくと、屈辱感そのものが消失しているのです。
中垣内 正和(著)『マーフィーの幸福論』から要約しました。
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