バブル経済の崩壊後、IT化・グローバル化によって、社会システムは大変貌を遂げました。ひきこもり世代は、パソコン世代と言えます。
若者を中心に社会生活のあり方が、大きく変化しています。親世代の「民主規範」が、若者世代の「ネット規範」と対峙する状況と言えます。
そのことは、何を意味するのでしょうか?
親がひきこもりの着地点を自分たちの価値観に置くことは、根本的に無理だということです。ひきこもり世代と親世代は、その価値観が違うのです。
親たちは、総中流・年功序列・終身雇用・会社への忠誠・適齢期の結婚などの経済社会的な状況下で生きてきましたが、コンピューター化が進行した若者世代は、一部の専門労働と大多数のマニュアル労働に分化した格差社会に生きています。
30代正社員ですら潰してしまう成果主義の中で、男女共に未婚化・晩婚化が当然のようになりつつあります。
親たちが「民主規範」「経済的な一億総中流」に生きたとすれば、若者たちは「ネット規範」「経済格差の進む社会」に生きているのです。
どう考えても、親世代と若者世代の価値観のギャップを埋めたり、あるいは親側に合わせたりするのは、むずかしいように思えます。
親たちは、ひきこもり世代・若者世代に歩み寄る必要があるように思われます。
自分たちの価値基準を若者に求めることを見直すこと、自分たちと違う若者の時代状況を見つめること、過酷な競争社会である格差社会が進行して、フリーター・ニート・不登校・ひきこもり・パラサイト・ボーダーライン・摂食障害・薬物乱用などに苦しむ若者が急増する時代状況を理解することが求められているのです。
中垣内 正和(著)『ひきこもり外来』から要約しました。
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