ひきこもりに対する公的な支援は、長年にわたって、ほとんど存在しませんでした。親たちが、20年以上にわたって相談し続けたこととの落差には、驚かされるばかりです。
2000年前後から、「ゼロからのスタート」の形で、親、民間、公的機関の取り組みが開始されました。利用できるシステムは、当初とは違った様相を呈して拡大してきています。
1万近い家族の親の会が結成され、全国数百か所以上のNPO・非NPOが取り組み、居場所やフリースペースが各地に設置されてきました。
不登校対応から不登校・ひきこもり対応へと切り替える団体も増加中です。
若者自立塾に国の予算が投じられ、訪問支援員・訪問サポート士が、民間のみならず、公的にも育成される方向に来ています。
全体的に、問題解決の力量はいまだに不十分な段階にありますが、社会的な問題意識は強まっています。
2008年には、ひきこもりを抱えた家族の心中などの悲劇が発生しました。これらの悲劇を抑止し、社会不安が拡大することを視点は欠かせません。
あらゆる取り組みは、取り組まない状態に比べて、はるかに大きな「悲劇の抑止力」を持っていると言うことができます。
医療やNPOには、高度の拠点性があります。公的な機関の取り組みは、社会の偏見を乗り越える勇気を与えます。
居場所やフリースペースは、社会性の回復に有用です。親の会は、孤立から悲劇へと進行することを防ぐ最大の防波堤と言えるのです。
中垣内 正和(著)『ひきこもり外来』から要約しました。
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