2008年8月5日火曜日

親の会

ひきこもり当事者を抱える家族を「ひきこもり家族」と呼びます。「親の会」は、ひきこもり家族の親たちによって構成される任意団体です。

「親の会」の意義は、活動を通じて、親たちが「癒し・安心・刺激・勇気」を得られることにあります。

(1)親の会に参加することは、自分たちと似た状況の人とかかわることになります。互いの話を聞く中で、他人が同じ問題を抱えていることを知ることができます。親たちが出会うことは、孤立感を乗り越えさせてくれる大きな力となるのです。

(2)先に親の会に参加して問題への対処が進んでいる人・対処中の人からも、対処の仕方を学ぶことができます。ひきこもりに関する実際的な知識を得ることができるのです。

(3)親たちがさまざまな工夫を凝らす中で、当事者たちが居場所に参加してくるようになります。その成功を見て、自分もうまくいくという見通しを立てることができます。

(4)親の会での活動を通じて、自分や社会の状況にチャレンジすることができるようになります。この段階になりますと、どうしようもない無力さにとらわれていた頃の気持ちと大きく変わってきます。

(5)親の会の合間に、互いに助け合い、サポートすることができるようになります。活動を通じて、同年代の多くの仲間ができます。

特に、会社生活の中で地域とのつながりを見失って孤立していた父親たちにとって、新たに仲間ができることは得がたい経験になります。

わが子との会話ができない父親もいますが、肩書きや会社名を利かせた付き合いから、本音トークによる付き合いに転じることは、会話や対話の力をつけてくれます。

現代社会の個人を孤立させる病理は、ひきこもりの原因にもなっています。ひきこもりは、単なる個人の問題ではなく、社会の問題ということができるのです。

親たちも、競争主義の中で孤立させられています。親が孤立から脱却し始めたとき、当事者の孤立からの脱出が始まるということができます。

親の会で、苦労話・体験談を聞いたり語ったりすることは、癒しを与えてくれ、疲れや無力感は軽くなります。他人事として受け止めてきた父親には、問題の重大性に気づく機会になります。

肩書きを越えた仲間意識が芽生えてきます。刺激を受け、取り組む勇気を得ることができます。

中垣内 正和(著)『ひきこもり外来』から要約しました。

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