2008年8月19日火曜日

発想を転換することができた

定年後に発送転換して生き方を変えることは、困難を伴うと考えられがちです。

退職は、仕事から解放される期待でいっぱいですが、すぐにそれは、不安と喪失感に変わります。

会社・仲間という帰属する集団があり、その中で仕事をし、人生を歩んできた人にとって、それらがなくなるのは喪失体験であり、孤独につながります。

しかも、定年後に帰属する地域社会では、職歴・肩書き・年収といったものが通用しないのです。そうした環境の中で、ひきこもり当事者と向き合わなければならない父親は、たいへん困惑するのです。

しかし、これはチャンスでもあります。発想の転換をする、またとない機会と言えます。

わが子とじっくり向き合うこともできます。親の会に参加することもできます。居場所で、若い人との交流も可能となるのです。

会社人間として経験できなかったことが、定年退職し、わが子と向き合うことで体験できるのです。これぞまさしく、人生の転換であり、価値観の転換です。

これを機会に、「産業カウンセラー」「ひきこもり相談員・支援員」などに挑戦して、心の健康の問題にチャレンジすることも面白い展開と言えます。

しかし、ここで注意して欲しいのは、会社の規範、つまり部下と上司の関係を応用したりしないことです。なぜなら、それは父親を再び「会社人間」に引き戻すことになってしまうからです。

ひきこもり当事者が部下で、父親が上司ではないのです。ひきこもり問題だけに取り組むことは、「がむしゃら時代」に戻ることにつながりますので、そこも注意が必要です。

がむしゃらに自分を追い詰め、追い込んでしまうのは、ひきこもり当事者を追い詰め、追い込んでしまうことにつながるのです。

定年退職後は、さまざまな事柄に挑戦して欲しいと思います。パソコンにチャレンジすることも良いでしょう。パソコンは、便利で面白い機器であり、今やなくてはならない道具です。

若者に教わることは、刺激的な体験です。パソコンをはさんで、親と当事者の会話が開始されることもあります。

アナログ世代が、60歳過ぎてデジタル化されていく自分を発見することも、面白い体験となるのです。

中垣内 正和(著)『ひきこもり外来』から要約しました。

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