2008年8月11日月曜日

癒しと刺激と勇気を得た

親の会参加の当初の目的は、癒しと安心を得ることにあります。

「自分たちだけではない」ことに気づくことで、孤立感をのがれることができます。だれにも話さなかった長年の思いを人前で打ち明けることは、気持ちを軽くしてくれます。

次の段階では、成功談や失敗談を聞いて、刺激を受けることが大切です。刺激を受けられない場合は、個人の取り組みや親の会活動が停滞することになります。

問題解決のためには、さらに「勇気」が必要になってきます。互いに口をきかない親子関係はこじれきって、双方の「勇気」は凍りついています。

このような状態から居場所に参加させるためには、まず親の勇気が求められるのです。親が勇気を出せないときに、当事者は勇気の出しようがありません。

わが子に勇気を求めるならば、まず親が勇気を示すことです。これは、認知行動療法でいう「モデリング」(お手本)に相当する方法です。

適応主義によって生活を維持してきた点で、両親の考え方は、共通しています。

適応主義は、世間体に合わせ、右肩上がりに上昇し、子供に「同じ生活水準」(世襲)を期待するという、総中流社会の価値観ということができます。

適応主義の時代には、周囲と同じ生き方をすればよく、「勇気」などという概念は不要だったのです。勇気が社会的に不要な概念ならば、若者が勇気を出すことが苦手になっても不思議ではありません。

「勇気の出し方を知らなかったから、ひきこもった」ということもできるのです。

しかし、親が勇気を出すならば、それは当事者に伝わって、当事者も勇気を出せるようになります。なぜなら、親と子は、心理的な共同体を形成していて、心理的な一体感があるからです。

わが子に勇気を求めるならば、まずは親が勇気を出してみることです。親の会・家族教室などに参加して仲間を得る中で、その勇気はよみがえるのです。

「創造と勇気」(ロロ・メイ)という言葉があります。ひきこもりから脱して新しい状態を創造するためには、「勇気」がキーワードとなることは間違いありません。

中垣内 正和(著)『ひきこもり外来』から要約しました。

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