2008年8月23日土曜日

ひきこもりの解決に希望を抱き、一喜一憂しないことにした

「希望」は一見ありふれた言葉ですが、自我心理学においては、人の発達の原点にある大切な言葉として位置づけられています。

精神科医のE・H・エリクソンは、人間の心の発達を8段階に区分した中で、生後に母親に基本的信頼感を抱く過程で「希望」がはぐくまれるとしました。

「希望を分かち合えること」が、カウンセリングの成否を決定づけることは、専門家の間では周知のところです。「希望を抱くこと」が、大切なのです。

「希望を持てない」「うまくいかない」と思いながら取り組むことが、良い結果に結びつくでしょうか?医師が、「この薬は効かないかも」と言いながら投与した場合に、効き目はどうなるでしょうか?

否定的な思い自体が、うまくいく可能性を引き下げてしまいます。

「初めに意志ありき」「初めに言葉ありき」という格言のごとく、ひきこもり問題に関しては、「初めに希望ありき」なのであって、それが目的と意志を明確にしてくれるのです。

これに対して、「一喜一憂」という言葉は、「希望・目的・意志」の反対の言葉となります。むやみに動揺する親の感情が問題なのは、親の感情がすぐ当事者に伝わってしまうからです。

親のマイナス感情は、当事者のマイナス感情に直結し、親のマイナス思考は、当事者のマイナス思考に直結します。

ひきこもりの場合は、親の希望喪失が、当事者の希望喪失に直結するのです。これが、ひきこもりが「渦のように深まる」大きな原因になるのです。

過剰反応して一喜一憂することは、親に極度の疲労・うつ状態・無感動状態を引き起こすことになります。

親のうつ状態・身体的な病気は、当事者にも深刻な影響を与え、ひきこもりはいっそう脱出困難な状況となるのです。

親がある時点で居直ることができ、希望・目的・意志を持つことができれば、当事者も社会に対して居直ることができるようになります。

「希望を抱く考え方に変えて一喜一憂しない」居直りの姿勢が、良い結果につながります。

中垣内 正和(著)『ひきこもり外来』から要約しました。

0 件のコメント: