2008年8月9日土曜日

家族の閉鎖性・密室性を避けた

親の会に参加する8割が母親なのに対して、父親の参加率が低いことが、問題の本質を示してくれます。

父親の参加が少ない理由は、第一に「世間体が悪い」ためです。近隣や会社の同僚に秘密にすることはもちろん、親族にも、ひきこもりに困っていることを知らせないのです。

もう一つの理由は、子育てを妻任せにしてきた経緯から、問題を妻任せにしてしまうことです。

これらが、親の会に父親が出席しない主たる理由となります。父親が取り組まない場合には、母親がひきこもる当事者と1対1で向き合うしかなくなるのです。

当事者の身体が母親より大きくなると、母親ひとりでの対応は難しくなります。長ずるに従って体力もかなわなくなりますので、母親は懇願・哀願を繰り返すしかなく、無視されてしまうのです。

父親も、長い間の妻任せのために、成人した息子らとの向き合い方や会話の仕方がわからなくなっています。その結果、怒鳴って威圧するしか手立てがなくなるのです。

問題を外に出さないで解決しようとする、日本家庭の「密室性」が、一家心中などの悲劇の原因になります。長期ひきこもりや障害者を抱えた家族の悲劇が続いています。

家庭という密室で何とかしようとする限り、問題解決は進まないばかりか、ひきこもり問題を長引かせ、こじれさせる原因になるのです。

大家族が村落に向かって開かれていた時代は、もはや過去となりました。

核家族が孤立して閉じている現代では、家族内の問題解決能力は低下しており、家族自体が壊れやすい状況に瀕していると言えます。

中垣内 正和(著)『ひきこもり外来』から要約しました。

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