2008年8月13日水曜日

タイミングを得ることにした

親が、親の会などに参加して変化することによって、ひきこもっている当事者にも変化が生じます。親が変化すれば、当事者も変化します。

(1)当事者は、好き好んでひきこもっているのではありません。

脱出できた当事者たちは、「きっかけがなかった」「暗闇をひとりぼっちで歩いていた」「どうしようもなかった」などと、好き好んでひきこもっていたのではない気持ちを語っています。

ひきこもる若者は、基本的には「出たい」のであり、きっかけがあれば、出ることができるのです。親の取り組みや第三者の対応は、そのきっかけを作るためにあるのです。

(2)親に対する矛盾した気持ち(アンビバレンス)は、親への期待の表明です。

威圧行為・衝動行為から暴言・暴力に至るまで、当事者には親を苦しめるような、さまざまな言動があります。しかし、親はこれをただ恐怖に感じておびえるだけでは不十分です。

これらの言動は、「何とかして欲しい」という気持ちの表れです。本心では、親に期待しているのであり、その期待をうまく表現できないために、行動として出てくるのです。

自力ではいかんともしがたい場合に、親の力や協力を期待するのであり、問題行動の裏に「SOS」の気持ちがあるのは明らかです。

腹のくくれない親、表現が未熟な子、親子のすれ違いという3要素が、ひきこもりを長びかせていると言えるのです。

(3)当事者は、希望と可能性を求めています。

親がある程度の冷静さと確信を持てた場合に、タイミングを見計らって、当事者に親の取り組みについて説明すると良いでしょう。

NPO・フリースペース・居場所などは、「希望と可能性の場所」として、当事者に伝えてあげてください。親が、居場所参加の声かけをして、当事者と一緒に出かけるのです。

一度断られたり拒否されたくらいで、あきらめる必要はありません。当事者の気分や体調を見ながら、何回でも誘うことです。誠意は、必ず伝わるものです。

(4)動き出す当事者には、親の支えが必要になります。

当事者が一回、家を出ただけで、「これで万事うまくいった」と思わないでください。親は、当事者の歩みと共に、親の会などで取り組みを続けていく必要があります。

なぜなら、子供が社会的な発達を停止していた場合は、共依存によって、親の社会性も停止していた可能性があるからです。長年の悩みの中で、社会生活する余裕を失っていた可能性も考えられます。

今となっては古めかしい親の経済主義・学歴主義・世間体主義などの価値観が問題解決を阻んできたことを振り返って、親子で新しい人生を生きるにはどうしたら良いか検討する必要があります。

まず、親が変わりましょう。そのことが、ひきこもり当事者に「あるがままから」「今ここから」という感覚を持たせ、必要な回復と成長へとつながるのです。

中垣内 正和(著)『ひきこもり外来』から要約しました。

0 件のコメント: