ひきこもりの本質は「孤立」です。当事者は、社会からの孤立に加えて、親や家族からも孤立しています。
当事者の孤立に加えて、実際には親の側も孤立しています。親の側も、だれにも相談できない、支援を受けられない状況下で、強いストレスにさらされています。
過労から無感動・無気力となり、うつ病に陥ってしまうこともあるのです。
しかし、ひきこもり状態を観察することによって、問題解決のヒントを得ることもできます。すなわち、孤立とは反対に、「力を合わせる方向へ転換すること」が解決へとつながるということです。
妻のみが孤立に苦しむ場合は、夫と共に、夫婦で取り組むように方向転換することです。これによって、妻の孤立は解消されます。
次にすべきことは、家族内に問題をとどめることをやめて、複数家族の集まりである「親の会」などに参加することです。
遠慮しないで親族に打ち明け、病院・NPO・居場所のリーダー・公的な機関などにも相談します。かかわりの輪を広げて大勢で対応することは、問題の解決に力を与えてくれるのです。
身内が近くにいない場合は、医療・公的機関・NPOなどによって輪を作ります。このようにして、一種のプロジェクト・チームが出来上がります。
医療やNPOが中核にいる場合に、チームの力はさらに強化されます。これは、ひと社会の共同体的なつながりを活用する動きと言えます。
周囲が動き出すと、衝動的な言動が減少するという形で、当事者に影響が出てきます。
当事者が、「きっかけがない」「どうにもならない」気持ちにいる場合に、たとえ当惑はあっても、周囲の取り組みに悪い気はしないものです。
大勢の人の動きを感じることによって、とりあえず出てみる勇気も刺激されるのです。
当事者の「出てみる勇気」を実現させるためには、参加する居場所・NPO・フリースペースなどが確保されていることが大切な条件となります。
このように、ひきこもり問題解決のためには、母親単独から夫婦へ、夫婦から親族全体、知り合い全体へ、さらに専門家へと、取り組みの輪を広げることが必要になります。
中垣内 正和(著)『ひきこもり外来』から要約しました。
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