2008年9月22日月曜日

医療・カウンセリング・NPOの利用が回復を進める

ひきこもりは、現実との関わりを失う点で、一種の「喪失状況」と言えます。マイナス思考・抑うつ感情・否認・無感動に支配される日々が続くのです。

マイナス思考は、ものごとを否定的にとらえる考え方です。抑うつ感情は、現実がうまくいかないときの憂うつな感情のことです。自分を守る心の働きから、すべてを感じなくなる否認や無感動というメカニズムもあります。

マイナス思考と抑うつ感情をうまく処理できないときには、さまざまな問題が生じます。

抑うつ感情というと、意欲を失って寝込むような事態を考えがちですが、ひきこもりの場合には、暴力・器物損壊行為などの外向き行動と、強迫・自傷行為・過食・過眠などの内向き行動の両方共に、抑うつ感情の表現である可能性があります。

リストラによってひきこもった30代の男性は、「追い詰められて落ち込み、何とかして欲しい一心で、母を蹴っていた」と、自分の暴力を振り返り、抗うつ薬で改善しました。

長年ひきこもることで、抑うつ状態の神経症化・退行・固定化が進んで、表面上はうつ病と見えなくなることもあります。

治療の初期から「マイナス思考」「抑うつ感情」「見かけに隠された真の症状」について配慮する必要があるのです。

ひきこもり当事者が、脱出に成功した後の時期を、次の3段階に分類することには意義があります。

(1)ひきこもりから脱したばかりの初期(出会い期)
(2)対人関係が可能になった中期(居場所期)
(3)社会参加の試行を開始した後期(社会参加期)

3つの段階では、心理状態・行動の可能性が、まったく違います。各段階の特殊性への配慮が欠けると、社会参加の停滞・リバウンドをきたします。

各段階の個別の状況に応じて、さまざまな精神療法・カウンセリングの技法が組み合わされるのです。

中垣内 正和(著)『ひきこもり外来』から要約しました。

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