大学中退後5年間ひきこもった青年は、「5年かかったなあ」と悪戦苦闘ぶりを振り返りましたが、長すぎたという後悔は示しませんでした。
10年ひきこもった女性は、海外留学の夢を実現するために、バイトと語学講座に通い始めました。
このように、ひきこもり経験を前向きにとらえることが大切なのです。
ひきこもり期間を「失われた時間」「大切なものの喪失」として受け取った場合に、うつ病に陥ることがあります。いったん、うつ病になると、回復過程はさらに長引いて複雑化します。
従って、「時間なんて、あっと言う間に経つもんだ」「ひきこもりは必要であった」「無駄な時間ではなかった」「今ここからを大切にする」「人生はいつからでもスタート」などの方向づけを行なうことが大切になります。
「無駄な時間」とみなすマイナス思考は、「右肩上がりの人生がベスト」とする成長至上主義の発想です。「無駄な時間」という観念から逃れるためには、「人生はいつからでもスタート」という言葉が有効です。
ひきこもりを経験することは、ひきこもらない喜びを強めてくれます。無駄な時間や人生などはなく、どんな経験でも、その後の人生の彩(いろどり)となるのです。
中垣内 正和(著)『ひきこもり外来』から要約しました。
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