居場所では「少しの勇気」を出して、話しかけに応じたり、隣りの人に話しかけることから始めます。顔見知りができて、互いに声かけができるようになればしめたものです。このようにして、「友だち」ができ始めます。
居場所には、同じ問題やよく似た事情を抱える当事者たちが参加しています。参加するだけで、自分だけが問題でないことに気づくのです。これは、孤立感を解消する上で、とても役に立ちます。
同じ課題や不安を持って対処しようとする人や、悪戦苦闘して対処中の人、すでにうまくいっている人から、「対処スキル」を学ぶことができます。
居場所は、お手本(モデリング)の宝庫と言えるのです。人間のさまざまな側面に触れることができます。
何もなかった「ひきこもり時代」と違って、刺激的でもあります。これは、生活共同体の良い面が復活した状態ということができるのです。
治療や集まりの終わった後にも、互いに交流して生活を楽しむことができます。カラオケ・サッカー観戦などにみんなで出かけることは、一般に若者が行なっているところです。
「楽しみ」「遊ぶ」感覚を身につけることは、就労などの社会参加の基礎になってくれます。助け合い・サポートができるようになれば、一人前の若者として、後戻りすることもなくなるのです。
他人の成功を見て、自分も不安に打ち勝てるという予測ができるようになります。就学・就労から異性の情報まであふれる居場所は、好ましい居場所です。
ひきこもりに加えて、神経症・うつ、進路などの生き方に悩む人まで参加する居場所が良いでしょう。試行錯誤して悪戦苦闘することは、青年期の特徴です。
悩みながらも、なんとかやっていく、そんな人が、最も良いお手本(モデリング)になります。自分にも何とかできそうだという、不安に負けない勇気が出てくるのです。
メンバーが互いに影響し合い、助け合うことは、治療者やNPOへの依存を減らすことになります。当事者同士で集まって、助けあえば、立派な自助グループと言えます。
居場所・親の会・自助グループでの行動は、社会的な状況にチャレンジするきっかけとなります。これらの活動を通じて、「それまでの方法を変えていくことができる」ようになるのです。
有効な集まりは、情報・刺激・勇気を与えてくれます。そして、社会的な状況にチャレンジするきっかけを与えてくれるのです。
中垣内 正和(著)『ひきこもり外来』から要約しました。
2008年9月28日日曜日
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