ひきこもり期間は3年以内が最も多いこと、期間が短いほど回復が良好なことがわかっています。3年以内は、「ゴールデン・タイム」といって、就学・就労などの社会参加には問題がないと言えます。
ひきこもり問題に社会が気づいてから10年たたない時点ですので、気がついたら15年以上あるいは20年以上経過していたという場合もまれではありません。
親が問題を放置していたのではなく、さまざまな機関に相談を重ねてきたことは、多くのケースが示すところです。しかし、長期にわたって、社会の関心と有効な対処法が存在しなかったということも事実なのです。
社会や他人を意識したり、出たい葛藤に悩まされる時期を過ぎると、人の心は、無感動・無感覚に陥るか、否認(認めない)のメカニズムが強くなるかの方向へ進みます。
これは、自分の精神を守るうえで、やむを得ない働きと言うことができます。無感覚は、早期から作用する場合もありますが、周囲に関心がないという装いと裏腹な本心が隠されていることを言います。
否認は、自分の感情や現状に触れることを、意識しないままに避けてしまう働きです。年齢が進むにつれて、期間が長引くにつれて、否認によって自分を守ろうとする傾向は強くなります。
そして、自力でひきこもりから脱することは、さらに難しくなるのです。時間の経過自体に、ひきこもりを長期化させる作用があると言うことができます。
しかし、2000年に表面化して以来、ひきこもりへの取り組みは、少しずつ進行しています。
40代や長期ひきこもりの当事者が、外来やNPOを訪れるにつれて、彼らの社会性の回復が可能であることもわかってきました。
中垣内 正和(著)『ひきこもり外来』から要約しました。
2008年9月7日日曜日
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