リバウンドとは、いったん脱した当事者が、再びひきこもりに戻ることを言います。回復をスムースにすることと、リバウンドを防ぐことは、互いにつながっています。
いったん出て来て再びひきこもらせないためには、「ひきこもっていた時」より「今の生活の方が良い」と思えることが必要です。
そのためには、「今、ここからを大切にする」、「人生はいつからでもスタートとする」、「希望を見失わない」カウンセリングが求められます。過去の振り返りは、必要な場合だけにとどめるのが良いでしょう。
「当事者が語るのを待つ」方法は、ひきこもりの場合に最適とは言えないのです。長期ひきこもりの場合に、当事者も親も共通して、ひきこもり始めた前後にこだわる特徴があります。
当事者には「どうしてこうなったか」という問題意識がある反面、ひきこもりの原因や過去には触れたくないという心境もあります。
20年前の「誤り」や「長い時間を失った」事実に、まともに直面した場合には、「取り返しがつかない事態」として、うつ病に陥り、再びひきこもる可能性があります。
うつ防止のためには、自尊心が満たされる形の方が良いと思われます。
リバウンドを防止する配慮は、最大限に行われるべきです。「今の生活と以前の生活とでは、どちらが良いか」と問うことは、リバウンド防止のために有効な手立てになります。
リバウンドの原因は、親身で面倒見の良い人間関係が持てたか、居場所が仲間との交流や社会参加の意欲を持たせる上で十分だったか、その関係が継続されたか、などの点にあると思われます。
ひきこもりの当事者は、次のような3つの理由によって傷ついています。
(1)ひきこもりを生じた原因によって
(2)ひきこもっていること自体によって
(3)親との確執によって
働くことの訓練として、施設などに押し込まれた場合には、3つの傷つきに加えて、強制労働・強制ボランティアによる傷つきが重なります。
ひきこもり自体が「耐え忍ぶ」という点で、一種の苦役性を帯びています。従って、当事者にとってさらなる「苦役」は逆効果となり、うまくいくためには、苦役ではないと認識される必要があるのです。
中垣内 正和(著)『ひきこもり外来』から要約しました。
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