ひきこもり家族の感情は、母親を中心に当事者への過剰な期待に傾いています。父親は、会社や仕事にかまけて見ぬふりをするか、世間体を第一にして過剰な圧力をかけるかのいずれかです。
長い間の感情的な負担から、やむを得ない場合が多いのです。親自身が、自己愛のとりことなって、揺れ動いています。
従って、当事者が外来を訪れた段階か、できるだけ早期の段階で、精神疾患の可能性や労働能力の可能性について、専門家の意見を聞くことが必要になります。
社会不安障害・心身症・うつ状態などでは、労働能力があると言えます。幻覚妄想がコントロールされた統合失調症でも、就労は可能と言えます。
一方、長期化による社会性未発達・中等度以上の知的障害・重症の人格障害・解体型の統合失調症・高度の筋力低下・脳委縮などは、「労働能力は低い」と診断されます。
労働能力がない場合には、障害者年金の受給を検討すべきなのですが、現在の社会保障では、ひきこもりの社会性未発達や人格障害は、年金給付の対象にならないという現実が立ちふさがっています。
この点の解決は、親の会活動や行政対応の今後に、ゆだねられていると言えます。
中垣内 正和(著)『ひきこもり外来』から要約しました。
2008年10月15日水曜日
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